薬湯を尋ねて その2 2015年2月@大分県鉄輪温泉のむし湯

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患者さんから、別府の鉄輪(かんなわ)温泉のむし湯が最高に良かったと
伺ったので、行ってきました。
ここは鎌倉時代に全国を布教して歩いた一遍上人が開いたと言われる湯治場で、
荒れ狂う地獄を鎮めた後、最後までどうしても止まらなかった地獄を利用して
むし湯を作ったとの伝承で、この噴気に不思議な力が宿っており、病気やケガを
治してくれるとのことです。
実際、蒸気だけでも冷えによる関節疾患などを治すには良いのですが、ここでは
石菖蒲を敷き詰めて、それを地獄の蒸気で蒸して治療効果を上げていました。

 

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入口にある一遍上人像。
お湯をかけてお参りします。

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昔使っていたむし湯の跡
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その内部です。
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むし湯の外側
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むし湯の入口

むし湯に入るには、まず料金を払って、体をお湯で流した後、
借りた浴衣を着て石の部屋に入ります。
ここは床に石菖蒲が敷いてあり、蒸気で蒸された石菖蒲の
上で20分くらい寝転びます。
蒸気と石菖蒲のエキスで蒸されて十分に汗をかいた後、
さっとお湯で体を洗って終わりです。
石菖蒲は除痰開竅・醒神健脳作用があり、麻痺の治療の時に
よく使う漢方薬ですので、これを使った蒸し風呂は確かに効果が
ありそうです。


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外にある石菖蒲の保管庫。風を当てて、乾燥させています。

 

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外にある無料の足蒸し器

穴に足を入れて蒸気で蒸し、
その蒸気が逃げて冷えないように
木の蓋が付いています。
寒い日でも体がポカポカと温まって
きます。
この日は平日だったので、落ち着いて
体験できましたが、休日は込み合って
なかなか使えないそうです。

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すぐ向かいにある地獄蒸し工房

ここには飲料用の温泉がありました。
日本では湯につかる温泉が中心ですが、
ヨーロッパでは温泉を飲むやり方の方が
多いようです。

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