中国雲南省や貴州省に住む彝(イ)族は虎を神聖視していますが、
虎から世界が造られる創世神話が伝わっています。
天を造りし神は、虎を捉え、その背骨と四肢で天を固定した。
虎の頭は天の頭に、その尾は地の尾となった。
左目は太陽に、右目は月に、ひげは陽光に、歯は星々となり、
地上に光がもたらされた。
その油は雲に、気は霧に、腹は海に、血は海水と化した。
大腸は大河に、小腸は河川に、腓骨は道に、毛は苗になった。
骨髄は金に、骨片は銀に、肺は銅に、脾臓は錫に、腎臓は砥石になった。
シラミからは水牛と黒ブタ、黒羊、綿羊が、
頭皮からは様々な鳥が生まれた。
雲南教育出版社「西南民族節日文化」より翻訳
毎年農暦の1月15日に双柏県の彝族は
虎節という祭を行います。
虎の衣装を着けた12人の男が、虎の笙舞を
踊り、邪を払い、吉を祈ります。
雲南人民出版社「秘境節祭」より
雲南省に住む納西(ナシ)族にも虎に関する神話が
あります。
雲南民族村で働いていたトンパ(巫師)、和国偉(納西族名はドウー)師から
聞いた話は以下の通りです。
虎の体の模様は火から賜ったもの。
虎の威厳は大河の水の音から賜ったもの。
虎の血は聖水から賜ったもの。
虎の爪は神の鷹から賜ったもの。
虎の尾は神の竹から賜ったもの。
虎の腸はこの世の道から賜ったもの。
虎の肝臓は山の崖から賜ったもの。
虎の肺は風から賜ったもの。
虎の骨は鉄から賜ったもの。
虎の身体は天地万物の精華が集まったもの。
それ故、虎は全ての獣の王となったのである。
納西族は虎を最も早くこの世に出現した動物と見なしている。
1997年にハルピンを訪れた時、松花江を渡ったところにあるトラを放し飼いにした公園に行きました。
ここでは何十元か払えば生きたニワトリを、何百元か払えば生きた羊を、1500元(当時で23000円くらい)
払えば生きた牛をトラに食べさせるところを見ることができました。
私たちが行った時、たまたま金持ちが来てお金を払ったので、トラが生きた牛を襲って食べるところを
見られました。
トラは3頭でゆっくり牛に近付き、牛の頭に覆いかぶさるように圧し掛かって引き倒し、あっさり首の骨を折って
しまいました。牛はすぐに動かなくなり、トラたちはこれまたゆっくり、悠然と牛を食べ始めました。
家畜の牛とは言え、屠殺のあまりの手際の良さにビックリしました。
車の屋根から出された
生きたニワトリを捕らえるトラ
白川静の字統で「虎」を調べると、次のように書いてあります。
象形 虎の形。卜文は虎文をつけた象形字に作る。
設文解字に「山上の君なり」とあり・・・・・・
〔方言、八〕に陳・衛・宋・楚では李父、江・淮・南楚では李耳、
あるいは於菟(おと)、関の東西では伯都(はくと)と呼ぶという。
於菟(おと)は楚の語で、虎を饕餮(とうてつ)というのと、同じ
語源と考えられる。
饕餮(とうてつ)は虎を文様化した、左右の展開図である。・・・・・
金文の図象に虎形を用いたものがあることからして、
古く虎の飼育に関与した部族がいたのであろう。
饕餮(とうてつ)文
有名な漢方医、三浦於菟(みうらおと)先生のお名前が
於菟(おと)なので、これはお父様が古典に詳しい方で、
御子息に楚の方言で虎の名を付けられたのに違いないと
密かに思って、先生にお会いした時に聞いてみました。
すると三浦於菟先生の於菟は漢文から取った名ではなく、
オットー何とかという有名な欧米の方から取った当て字だ
そうでした。
うーん・・全く予想が外れましたねえ・・・
http://homepage3.nifty.com/miyake/usi/usi.html
院長が作成しておりますHPです。























